@article{oai:matsumoto-u.repo.nii.ac.jp:00000857, author = {矢﨑, 久}, journal = {松本大学研究紀要, The Journal of Matsumoto University}, month = {Jan}, note = {application/pdf, カウンセリングをおこなっているにもかかわらず、クライエントの困惑する日常や精神状態が改善されず、膠着し、あるいは増悪しているように思われるとき、カウンセラーは次策をどう講ずるかを判断しなければならないという課題に直面する。長期に及ぶかかる事態は、時としてクライエントの側の更なる不利益に繋がる。とりわけ学校現場での、学習の涵養、他者との関係構築、進級進学などの年余を要する課題への影響は計り知れない。クライエントの語る日常の困難さ、不安、そして恐怖。しかしこれらのエピソードの根底に、緩急強弱を彩りながらも確かに存在する特徴のある精神状態、その相当期間の継続が、延いてはさらなる日常の困難や精神的危機に繋がる場合があることが指摘されている。特徴のある精神状態があり、これが相当期間継続し、さらなる悪化や可能性としての精神疾患も考えられたならば、早い段階から医療的・心理社会的支援をすることで、これらの者の生活機能の低下が防げるのではないかとする研究もなされている。もちろん課題も指摘できる。たとえば、悪化や発症の可能性があるとする根拠とその妥当性、さらに対象が未成年者であれば、これらの可能性を根拠とした早期支援(医療的介入)は許容されるのか、である。本稿では、まずカウンセリングの対象と範囲について、次にクライエントの見立てと治療効果検証の際の特異的精神症状の有無、これによる日常生活への影響度と継続期間、精神病(総合失調症)の発症する可能性などのカウンセラーが考慮すべき事項に触れる。これは、少なくともカウンセリング継続によるクライエントの状況の悪化があってはならないという考え方が根底にあるからである。次稿では、特異的精神症状とはなにか、精神病発症までの段階、早期支援の必要性の判断、介入のタイミングと期待される効果、倫理的課題、そして倫理的課題と精神病前駆期を視野に入れたカウンセリングのあり方を論ずる予定である。}, pages = {103--107}, title = {カウンセリングにおける可能性としての精神病前駆期という視点Ⅰ}, volume = {13}, year = {2015} }